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薬について
2022.09.27
薬には大きく分けて、「医療用医薬品」と「市販薬(いわゆるOTC医薬品)」の2種類があります。医療用医薬品は医療機関で医師・歯科医師がその人の病気、症状、体質、年齢などを考えて処方する薬です。薬局で処方箋により受け取ることができます。薬はその人だけの薬なので、症状が似てるからといって、絶対に他の人にあげないでください。市販薬は薬剤師等による情報提供を踏まえて、症状にあわせて薬局等で購入できる市販の薬です。
医療用医薬品からOTC医薬品に変更となってからの期間が比較的短いものや、劇薬が該当します。そのため、使用の際は特に注意が必要で、薬剤師の説明を受けなければ購入できません。
リスクに応じて、第1類〜第3類に分類されます。購入や、薬に関して相談するときには薬剤師や登録販売者が対応します。
薬は、正しく使うことが重要です。薬を飲む前に、薬の正しい使い方を知っておきましょう。
薬には必ず説明文書がついています。説明文書には、正しい使い方、効き目などの他、使用上の注意や副作用に関することが書かれています。必ずよく読んでから使用する習慣を身につけましょう。また、説明文書は保存し、必要なときにすぐ読めるようにしておきましょう。
薬はそれぞれ決められたタイミングに飲まないと効果がなかったり、副作用が生じたりします。必ず決められたタイミングで飲みましょう。
☆食前、食後、食間、就寝前、屯服の違い☆ 〜すべて「薬を飲むタイミング」を表す言葉です〜
●食前:胃の中に食べ物が入っていないとき(食事の1時間〜30分前)
●食後:胃の中に食べ物が入っているとき(食後の30分以内)
●食間:食事と食事の間(食事の2時間後が目安)
※食事の途中に飲むことではありません。(「食間」:食事中は×、食事と食事の間は○)
●就寝前:就寝する30分くらい前
●屯服:発作時や症状がひどいとき
薬は指示量より多く飲むことによって、副作用や中毒が現れることもあります。また、症状が治まったからといって使用をやめると、病気が再発することや完治しないことがあるので、自分で判断せず医師・薬剤師などの専門家に相談しましょう。
複数の薬を使用している場合、飲み合わせが悪いと薬が効きすぎてしまったり、反対に薬の効果が十分に得られなかったりすることがあります。食品やサプリメントの中にも、薬との飲み合わせが悪いものがあります。必ず医師や薬剤師などの専門家に、今使っている薬やサプリメントなどを伝えましょう。
☆一緒に飲むことを避けた方がよい組み合わせの例☆
●ワルファリン(血を固まりにくくする薬):納豆、クロレラ食品
●カルシウム拮抗薬(高血圧の薬):グレープフルーツジュースなど
●眠気防止薬:コーヒー、いわゆるエナジードリンクなどのカフェインを含む飲料
薬は湿気や光、熱によって影響を受けやすいため、直射日光が当たらず、高温にならない場所で保管しましょう。冷蔵庫で保管するように指示された薬は、凍らせないように注意しましょう。また、OTC医薬品については、有効期限を過ぎた古い薬は未開封でも捨てましょう。医療用医薬品について、飲み残しがある場合には薬局に相談しましょう。その他、誤って使用しないよう、食品、農薬、殺虫剤などと一緒に保管したり、他の容器に入れ替えて保管しないようにしましょう。
誤飲を防ぐために、薬は子どもの手が届きにくいところに置きましょう。飲んだ後の戻し忘れにも気をつけましょう。
万が一、子どもが薬を誤飲した場合には、子どもの状態や薬の名称、飲んだ量を確認した上で、直ちに専門の相談機関に連絡し、必要に応じて医療機関を受診してください。
「お薬手帳」は、すべての薬を記録するための手帳です。医師や薬剤師などがお薬手帳からすべての薬を把握できるよう、お薬手帳はひとつにまとめて、継続して記録するようにしましょう。薬局では、薬剤師が手帳を見て、副作用や飲み合わせ、薬の量が適切かどうかなどをチェックします。なお、薬の種類によっては飲み忘れたときの対応が異なる場合があるので、薬を受け取るときに必ず医師・薬剤師などの専門家に相談しましょう。スマートフォンなどで利用できる電子版お薬手帳もありますので、使いやすいものを選んで活用しましょう。
※参考:厚生労働省(日本薬剤師会)ホームページ
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消防用設備等の点検をしよう
自宅や職場など普段過ごす場所に、十分な消防用品は準備されているでしょうか。 消火器や自動火災報知機など、どの場所に設置されているか、問題なく使用できるかの確認はされているでしょうか。 消防用設備が常時設置されているのは、火災発生時にすばやく適切に避難したり、火災を比較的はやい段階で防いだりするためです。いざというときに消防用設備が使えないと困ってしまいますよね。 この記事では、消防用設備の点検についてご説明します。 消火器の点検 家庭や職場でもっとも見かける消防用設備が消火器でしょう。いざというときに使えるかどうか、定期的な点検が大切です。 ①製造年を確認しましょう 消火器のラベルには製造年が記載されています。5年以内のものは自分で点検するだけでよいですが、5年が経過しているものは、消防設備業者等に点検を依頼したり消火器を買い替えたりする必要があります。 ②使用済みの表示を確認をしましょう 一度でも使ったことのある消火器は、未使用を示すシールが剥がれたり破れたりする仕組みになっています。一度でも使ってしまった消火器は新しいものと入れ替える必要があります。 ③変形や損傷を確認しましょう 本体容器、安全栓、レバー、キャップ、ホース、ノズル、指示圧力計などに、変形や損傷がないかを確認しましょう。変形や損傷が見られるものは正しく使用できない可能性があります。判断に迷う場合は、消防設備業者等に確認してもらいましょう。 自動火災報知設備の点検 消防法令の改正により、マンションはもちろん、中小規模のアパート、戸建住宅、店舗併用住宅の住宅部分を含め、すべての住宅が自動火災報知設備設置の対象となりました。 しかし、火災報知機などは天井に設置されていて視界に入りにくいので、点検がおろそかになりがちです。 ①変形や損傷を確認しましょう ひびわれ等の損傷や、報知器部分の脱落、感知器ごと塗装がされてしまってないかなどを確認しましょう。 ②作動確認をしましょう。 自動火災報知設備には、正常に動作するかどうかを確認できるテストボタンがついています。「正常」である旨のアナウンスが流れるかどうか、一度ボタンを押してみてください。 ③設置場所を確認しましょう エアコンの吹き出し口から1.5mのところや、キッチンの煙が滞留しやすいところなど、自動火災報知設備には設置しても意味がない場所があります。正しい場所に設置されているかを確認しましょう。 ④10年を目安に交換しましょう 住宅用火災警報器の耐用年数は、一般的に10年とされています。10年以上が経過すると、電子部分の寿命や電池切れなどで火災を感知しなくなる可能性があります。 まとめ 家庭や職場に設置されている消防用設備の点検についてご説明してきました。 火災はとにかく初期消火、初期避難が大切です。せっかく設置されている消火器や火災報知器なども、いざというときに使えなければ意味がありません。 定期的に消防用設備を点検し、大きな火災になる前に防げるよう身の回りの環境を整えておきましょう。 参考資料:消防庁 消防用設備等点検報告を自ら行っていただくために https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/items/prevention001_18_tenken_pamphlet.pdf ココカラ通信11月号
2023.11.28
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アルコールと健康障害
普段楽しくお酒を飲んでいる方でも、ちょっと飲み過ぎて具合が悪くなったり、昨日のお酒が残っていてつらい思いをされた経験があるのではないでしょうか。 お酒の飲み過ぎは短期間であっても体に影響を及ぼしますし、それが長期間ともなれば健康障害を引き起こしてしまいます。 この記事では、アルコールが引き起こす健康障害についてご紹介します。 アルコール健康障害と飲酒量の推移 アルコールによる健康障害が問題になってきた背景には、経済の発展による飲酒量の増加があります。 日本では戦後の経済発展もあり、1990年代後半まで飲酒量は増加の一途でした。飲酒量が増えれば、当然アルコールによる健康障害の件数も増えていきます。 近年では高齢化が進んだこともあり、飲酒量が頭打ちもしくはやや低下している傾向にあります。しかし、飲酒の習慣がついた人がお酒をやめているわけではないため、アルコールによる健康障害の問題は依然として残っているのが現状です。 アルコールが引き起こす健康障害とは アルコールが関係する健康障害といえば、まずは「アルコール依存症」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。 アルコールにはもともと依存性があり、飲酒を続け、精神や身体への依存が形成され、飲酒のコントロールができなくなる状態がアルコール依存症です。 アルコール依存症はそれ自体も大きな健康障害ですが、長期かつ大量の飲酒習慣がもたらず他の病気も引き起こしてしまいます。 忘年会や新年会、歓送迎会などが続く冬から春の時期は「急性アルコール中毒」で搬送される方が増えてきます。 急性アルコール中毒では、血中アルコール濃度が急激に上がった結果、意識レベルが低下し、血圧や呼吸数の低下、嘔吐などが起こります。生命に危険をおよぼす可能性もある、危険な症状です。 人によって、血中アルコール濃度が高まるまでの時間や飲酒量は異なります。飲み会の際は、人にお酒を強要したりすることのないようにしましょう。 アルコールは、さまざまな臓器、循環器にも影響を与えています。なかでも肝臓は、最も高頻度で、かつ重症にもなりやすい臓器です。「アルコール性肝炎」「肝硬変」「肝臓がん」などは、飲酒量と大きく関係があります。 その他にも、アルコールの飲み過ぎによって「急性すい炎」や「慢性すい炎」などのすい臓病、「高血圧」や「脳梗塞」などの循環器疾患、認知症リスクの増大なども引き起こされてしまいます。 アルコールのとり過ぎには、害しかないと言っても差し支えないでしょう。 まとめ アルコールが引き起こす健康障害についてご紹介してきました。 自分に合った適切な量を楽しく飲んでいるうちは、アルコール自体に大きな問題はありません。 お酒を飲んで気分が悪くなったり、飲み過ぎを家族や友人から指摘された時は、自分の飲み方を振り返ってみませんか。 よくない飲酒パターンをあらためることで、自分の健康を損なうことなく楽しいお酒の時間が過ごせるはずです。 参考資料:厚生労働省 アルコール健康障害対策 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000176279.html e-ヘルスネット 飲酒 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol ココカラ通信11月号
2023.11.21
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インフルエンザワクチンの接種について
インフルエンザの予防には、マスクをつける、手洗いうがいをするなどが有効です。また、ワクチンの接種も、インフルエンザ感染後に発症の可能性を低くする効果や、発症してしまった際の重症化防止に効果があるとされています。 一方で、接種費用がかかったり医療機関への予約が必要だったりするため、ワクチン接種に消極的な方がいるのも事実です。 この記事では、インフルエンザワクチンの接種についてご紹介します。 インフルエンザワクチンの有効性 インフルエンザに罹ってしまうのは、インフルエンザウィルスが口や鼻、目などの粘膜を通して体の中に入ってくることから始まります。 次に、体の中に入ったウィルスは増殖を開始します。ウィルスが増えると数日程度の潜伏期間のあと、発熱やのどの痛み、倦怠感や筋肉痛といったインフルエンザの症状が出てきます。この状態が「発病」です。 インフルエンザワクチンには、この「発病」を抑える効果が一定程度認められています。 また、発病後ほとんどの方は一週間程度で回復します。しかし中には、肺炎やインフルエンザ脳症などの重い合併症を併発してしまい、入院することになったり死亡してしまう方もいます。これがインフルエンザの「重症化」です。 インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、この「重症化」を予防することです。 特に基礎疾患のある方や高齢の方は重症化する可能性が高いため、インフルエンザワクチンの積極的な接種が推奨されています。 インフルエンザワクチンの基礎知識 日本では毎年12月〜4月がインフルエンザの流行時期です。特に1月~3月は流行のピークと見られます。 10月に入ると、医療機関でインフルエンザワクチンが接種できるようになります。ピークを迎える12月中旬までにワクチン接種を済ませておくのが望ましいとされています。 また、接種後には副反応が出ることがあります。 免疫をつけるためにワクチンを接種したとき、免疫がつく以外の反応がみられることがあります。これを副反応といいます。 インフルエンザワクチンで比較的多くみられる副反応としては、接種した場所の赤みやはれ、痛みなどがあります。接種をした方の10〜20%に起こりますが、通常2〜3日でこれらの副反応はなくなります。 ワクチン接種後は接種箇所をかいたりこすったりせずに過ごしましょう。 まれにショック、アナフィラキシー症状が見られることもあります。これらの症状は、ワクチンに対するアレルギー反応で接種後、比較的すぐに起こることが多いため、接種後30分間は安静にしていましょう。 体調に異常が認められた場合には、速やかに接種した医療機関に連絡してください。 まとめ インフルエンザワクチンの有効性や基礎知識についてご紹介しました。 これからどんどん気温が下がり、空気が乾燥してきます。インフルエンザは低温・低湿度の環境を好むため、流行のシーズンになるでしょう。 インフルエンザに絶対に感染しない方法は、現在の医療では存在しません。 感染しないために手洗いうがいを徹底し、発症させない・重症化させないためにインフルエンザワクチンを接種しましょう。 参考資料:厚生労働省 令和4年度インフルエンザQ&A https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2022.html ココカラ通信11月号
2023.11.16
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アルコール関連問題啓発週間
毎年、11月10日から16日はアルコール関連問題啓発週間です。 お酒は国民の生活に豊かさと潤いを与えるものであり、私たちの生活に深く浸透しています。その一方で、不適切な飲酒はアルコール健康障害の原因となります。そして、アルコール健康障害は、本人の健康の問題であるだけでなく、その家族に深刻な影響を与えたり重大な社会問題を生じさせたりするおそれがあります。注意する点をおさえつつ、上手にお酒とつきあっていくようにしましょう。 上手にお酒とつきあう方法 1)適量飲酒にする 通常のアルコール代謝能を有する日本人における「節度ある適度な飲酒」の量は、1日平均純アルコールで約20g程度とされています。しかし、女性は男性と比べてアルコール分解速度が遅く、血中のアルコール濃度が高くなりやすい傾向があります。そのため、女性は男性の2分の1~3分の2程度が望ましいとされています。 2)休肝日をつくる 週に何日かはお酒を飲まない日を設けて、肝臓などの臓器を休ませましょう。毎日お酒を飲む習慣がある場合、まずは週1日から始め、できれば連続して2日以上の休肝日を目指しましょう。 4)妊娠中や授乳中の女性の飲酒は控えましょう アルコールは、胎児や乳児の健康に影響を及ぼします。妊娠中や授乳中の女性、また、これから妊娠しようとしている女性は、飲酒しないようにしましょう。 純アルコール20gに相当する酒量 ・ビール(5%)ロング缶1本(500ml) ・日本酒 1合(180mL) ・ウイスキー1杯(60ml) ・焼酎(25度)グラス2分の1杯(100ml) ・ワイングラス2杯弱(200ml) ・チューハイ(7%)缶1本(350ml) 参考資料:ココカラ通信11月号
2023.11.14
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インフルエンザ 一問一答 ~その①~
インフルエンザの感染力は非常に強く、日本では毎年約1千万人、 約10人に1人が感染しています。 インフルエンザから一人ひとりを守るためには、 まず、インフルエンザそのものを良く知ることが必要です。 Q1:風邪とインフルエンザの違いは? 【風邪】 鼻水やのどの痛みなどの局所症状。一年を通して罹患する。 【インフルエンザ】 38℃以上の発熱やせき、のどの痛み、 全身の倦怠感や関節の痛みなどの全身症状。主に1~2月に流行のピーク Q2:インフルエンザはどうやってうつる? 主に、飛沫感染と接触感染の2種類があります。 飛沫感染は、感染した人がせきをすることで飛んだ飛沫に含まれるウイルスを、別の人が口や鼻から吸い込んでしまい、ウイルスが体内に入り込むことです。 感染した人がせきを手で押さえた後にドアノブなどに触れると、その触れた場所にウイルスを含んだ飛沫が付着することがあります。その場所に別の人が手で触れ、さらにその手で鼻、口に再び触れることにより、粘膜などを 通じてウイルスが体内に入り感染します。これを接触感染といいます。 Q3:インフルエンザの予防は? 飛沫感染、接触感染といった感染経路を断つことが大事です。 外出から帰ったら、手洗いうがいを心がけましょう。アルコールを含んだ消毒液で手を消毒するのも効果的です。栄養と睡眠を十分にとり、抵抗力を高めるなど、普段からの健康管理も大切です。予防接種も重要ですが、予防接種をしたからといって、必ずかからないわけではありません。発症する可能性を減らし、もし発症しても重い症状になるのを防ぎます。 ※出典:厚生労働省、啓発ツール インフルエンザ一問一答 みんなで知って、みんなで注意! https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/leaflet20110208_01.pdf 参考資料:ココカラ通信11月号
2023.11.06
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病気治療と職業生活の両立について
日本人の平均寿命が世界一であることをご存じの方も多いでしょう。 寿命が長くなった以外にも、若い世代の人口減少や定年退職後の再雇用制度などの普及によって、年を重ねてからも働く人の数が増えています。 このような現代日本が抱える問題の一つに、病気の治療と仕事の両立があります。 どんな病気にもならないという人はいないでしょう。誰もが年を重ねるにつれ、さまざまな病気を経験することになります。 この記事では、病気の治療と職業生活の両立についてご説明します。 病気を抱える労働者の現況 平成25年に厚生労働省が企業に対して実施したアンケートによれば、病気を理由に1ヶ月以上連続休業している企業の割合は、メンタルヘルスが38%、がんが21%、脳血管疾患が12%となっています。 また、平成22年に行われた国民生活基礎調査に基づく推計によれば、仕事をしながらがんの治療のために通院している人は、32.5万人に上っています。 医療の発展により、かつては治らない病気であったものが「長く付き合う病気」に変化しつつあります。 病気になったからといってすぐに労働者が離職する時代ではなくなりました。 職場が取り組むべき課題 病気を抱えている労働者でも定期的な通院や投薬によって、働きながら治療を続けることが可能なケースも増えています。 しかし、職場の理解や支援の不足により、働きながらの通院が難しい状況が生まれ、離職してしまうケースも存在しています。 労働安全衛生法では、事業者が労働者の健康を確保するための規定があります。 事業者は健康診断の実施や医師との面談を提供し、就業上の措置が必要な場合は、作業場所や内容の変更、労働時間の変更などを行わなくてはなりません。 こうした職場の配慮は、病気を抱える労働者が仕事によって病気の状態を悪くしたり、新たな病気の発症を防ぐために必要なものなのです。 具体的な環境整備 病気を抱える労働者が働きやすい職場づくりのために、環境整備から始めていきましょう。 例えば、時間単位の年次有給休暇制度の導入は、通院してから出社したいというニーズに適しています。 年次有給休暇は基本的には1日単位で与えるのが基本ルールですが、労使協定を結べば1時間単位で与えることが可能になります。 また時差出勤制度を整えることで、通院しやすくなるのはもちろん、ラッシュなど体に負担のかかる時間帯を避けて通勤する環境を用意できます。 同様に在宅ワークも、治療と仕事の両立支援のために導入している企業も増えてきました。 また有給休暇とは別に傷病休暇・病気休暇を設ける企業もあります。 病気治療と職業生活の両立のまとめ ご紹介してきたような治療と仕事の両立支援は、労働者の健康を守るだけでなく労働者の安心感やモチベーションアップにもつながります。 結果、企業としても継続的な人材の確保や、生産性の向上、多様な人材活用が実現できるでしょう。 労働者のワークライフバランスの実現を目指すことが、組織や事業の活性化につながるのです。 誰もが健康で長く働ける社会のために、自分たちができることから取り組んでいきましょう。 参考資料:厚生労働省 事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001088186.pdf ココカラ通信10月号
2023.10.31